現物取引と信用取引の使い分け

現物取引と信用取引

一般の投資家が、株式を売買する場合、取引方法が2つあります。

現物取引と信用取引の2つです。

現物取引と信用取引の主な違いは、売りから開始できることと、自己資金以上の取引ができることの違いがあります。

■現物取引

取引の開始方法:買いからのみ取引が開始できる

資金の効率性 :自己資金の金額まで取引ができる

■信用取引

取引の開始方法:買いもしく売りから取引が開始できる

資金の効率性 :自己資金の約3倍の金額まで取引ができる

信用取引のメリット(下落局面でも儲けられる)

まず、取引の開始方法について着眼します。

現物取引であれば買いからのみしか取引を開始できませんが、信用取引では買い売りのどちらからでも取引が開始できます。この違いが何を意味するかというと、儲けるチャンスが単純に2倍になります。

では、ここでは1つ例に挙げて説明します。

ある個別株の株価が上昇局面にあるとします。現物取引のみできる人と信用取引もできる人が市場にいるとします。その場合、両者があるポイントで買いを入れると、以下になります。

現物取引:株価上昇分含み益を得る

信用取引:株価上昇分含み益を得る

では、株価の上昇トレンドが一服し、もみ合い相場になり、両者はこの先株価が下がるかもと思い、利益確定を行います。その場合、以下になります。

現物取引:株価上昇分利益確定

信用取引:株価上昇分利益確定

次に、両者は、株価が下降局面にあると判断します。現物取引のみできる人は、なにもできません。信用取引もできる人は、売りを入れます。その場合以下になります。

現物取引:なにもできない

信用取引:株価下落分含み益を得る

最終的に、株価は下落して、再度もみ合い相場になります。また、株価が上昇するかもしれないので、信用取引もできる人は、買い戻しし利益確定を行います。その場合、以下となります。

現物取引:なにもできない

信用取引:株価下落分利益確定

上記のように株価がいかなる状況でも信用取引もできる人は儲けることができます。一方現物取引のみできる人は、儲けるチャンスが1/2になってしまいます。

これは大きな”差”ではないでしょうか。

信用取引のメリット(資金効率がいい)

続いて、資金の効率性について説明します。

ここでも1つ例を挙げて説明します。

ある個別株の株価が上昇局面にあるとします。現物取引のみできる人と信用取引もできる人が市場にいるとします。両者はこの相場で自分の資金を最大限に生かして儲けようと考えています。

その場合、両者があるポイントで買いを入れると、以下になります。

現物取引:株価上昇分(自己資金分)含み益を得る

信用取引:株価上昇分(自己資金の3倍分)含み益を得る

では、株価の上昇トレンドが一服し、もみ合い相場になり、両者はこの先株価が下がるかもと思い、利益確定を行います。その場合、以下になります。

現物取引:株価上昇分(自己資金分)利益確定

信用取引:株価上昇分(自己資金の3倍分)利益確定

つまり、信用取引もできる人は、現物取引のみできる人に比べ、3倍も儲かることができます。

これは、大きな”差”ではないでしょうか。

信用取引のデメリットについて

大きなメリットもある一方、注意しないといけないこともあります。

まず、最初に挙げるのは、金利(買いのみ)と貸株料(売りのみ)です。

現物取引の場合、約定時の手数料のみで済みますが、信用取引の場合、約定時の手数料のほかに諸費用を払う必要があります。

信用買いの場合、建玉に対し買方金利が年利で約3%分支払う必要があります。

信用売りの場合、建玉に対し貸株料が年利で約1%支払う必要があります。

これらの費用は、建玉の約定時に決済されます。

現物取引と比べ、上記の点ですでに差があるため、信用取引を利用する場合、金利と貸株料を意識した取引が必要になります。借りる日数が増えれば増えるほど、金利や貸株料を決済時に取られるため、信用取引が長期取引に向いていないといった理由はここからきています。

また、もう1つデメリットを挙げるとすると、資金管理が難しいということです。

信用取引には、自己資金の約3倍まで取引ができるというメリットはある一方、建玉の資産が目減りすることにより、含み損がある一定のラインを割ったら強制決済をされてしまうことがあります。現物取引にはこういったリスクはありません。

では、信用取引の口座の仕組みを簡単に見ていきましょう。

まず、信用取引を開始する際、自身の信用取引口座に100万円あるとしましょう。

その場合、最大300万分の株を購入することができます。何もしていない状態だと以下の状態になります。

証拠金維持率:100%(楽天証券では、9999.99%になっているが、、)

信用新規建余力:300万円

では、実際に株を300万円購入してみましょう。その場合、以下になります。

証拠金維持率:33.33%(100万円/300万円)

信用新規建余力:0万円

買い建玉   :300万円

買い建玉が購入でき、証拠金維持率が33%になります。

証券会社にもよりますが、信用取引は、証拠金維持率が20%を下回った場合、追加の資金を注入しないと、強制決済されてしまう仕組みです。例えば、株価下落に伴い、建玉の資産価値が50万円下落した場合、証拠金が目減りしてしまいます。

その場合、以下になります。

証拠金維持率:16.66%(50万円/300万円)

信用新規建余力:0万円

買い建玉   :300万円→250万円

証拠金維持率が20%を下回ったため、証券会社より追証の入金を指示されます。追証分の資金を信用口座に入金できない場合は、買い建玉が証券会社により強制決済され、損失が確定してしまいます。

上記のように建玉の資産価値が下落した場合、信用口座の証拠金維持率が低下し、思わぬタイミングで損失が確定してしまうことになります。

現物取引の場合は、損失を確定させるタイミングは自由ですが、信用取引の場合、資金がなくなったら強制決済されてしまうということを常に意識しておかなければなりまません。

他にも手数料関係で細かい違いはありますが、一番大きな違いは上記の2点になります。

ただ、取引の方法を増やすといった観点では、信用取引口座の開設はしておいたほうがいいでしょう。

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