FX取引は長期投資できる?適切なレバレッジ倍率を考察する

筆者の投資のポートフォリオは、株式投資に依存している。株式投資一択の状態から脱却するため、ポートフォリオを見直しした結果、長期投資としてFX取引を取り入れていくこととした。FX取引を取り入れていくにあたり、考慮すべき事項について考えてみる。

証拠金維持率と強制ロスカットに注意する

FX取引は、資金に対してレバレッジをかけて取引を行うことができる。資金を証拠金という形で担保に入れれば、資金に対して最大25倍までの建玉を持つことができる。これはFX取引最大のメリットであるが、一方証拠金の維持率が規定のパーセンテージ以下になってしまうと強制的にロスカットされてしまう。そのため、FX取引を長期投資として組み入れるためには、強制ロスカットされないように証拠金維持率に注意しながら運用していく必要がある。

通貨ペアの変動幅はどのくらい発生するのか

ドル円の通貨ペアを例に考えると、月足で変動率が多い月をピックアップしてみた。

  • 2020/03:101.168円(安値)-111.713円(高値) 変動幅:10.545円
  • 2016/11:101.181円(安値)-114.537円(高値) 変動幅:13.356円
  • 2008/10:90.910円(安値)-106.530円(高値) 変動幅:15.620円
  • 1998/10:111.530円(安値)-136.900円(高値) 変動幅:25.370円
  • 1997/05:111.800円(安値)-127.460(高値) 変動幅:15.660円

上記を見ると、月の変動幅が10円を超える月は10年に1回は発生しているため、この点は考慮して取引すべきだろう。

ドル円の変動幅が月に10円の場合耐えきれるレバレッジは?

基本的にはスワップポイントを貰える通貨ペアの建玉を長期で保有してインカムゲインを得つつ、大幅な差益が出たときは利確する方針とする。上記で上げた月の変動幅が10円を超えることを想定した場合、適正なレバレッジ倍率を考えてみる。

わかりやすくするため自分が取引をした際のドル円のレートを1ドル100円とする。

2021/8/8現在、ドル円の場合は買SWAPだとスワップポイントがもらえるため、ドル円を買うこととする。そして、建玉を持った後ドル円が月に10円下がる場合の想定だと、1ドル100円→90円になる。

この場合、資金(証拠金)の推移はどうなるか考えてみた。

1ドル100円で1万通貨持つと、100万円分の建玉を持つこととなる。10年に1回は1ロット10万円分の損失が発生する可能性あるということは意識すると、1ドル10円下がった場合は10万円分の損失が発生する。

筆者が使用しているFX業者はGMOクリック証券のFXネオだ。FXネオのページには証拠金維持率とロスカットの条件が以下で記載されている。

○個人口座

証拠金維持率=2,500% レバレッジ1倍
証拠金維持率=1,250% レバレッジ2倍
証拠金維持率=500% レバレッジ5倍
証拠金維持率=250% レバレッジ10倍
証拠金維持率=100%を割り込んだとき レバレッジ25倍=新規建玉を保有できません。
追加証拠金が発生します。
(ニューヨーククローズ時)アラートメールが送信されます。
証拠金維持率=50%を割り込んだとき 自動ロスカットが執行されます。

引用:https://faq.click-sec.com/faq/show/136?site_domain=default

証拠金維持率が100%を割り込んだ場合、指定された期間内に追加証拠金を新たに差し入れないと、ロスカットされてしまう。また、証拠金維持率が50%を割り込んだ時点で自動ロスカット(強制ロスカット)が行われる。長期投資する際はこの証拠金維持率100%を割り込まないように資金管理する必要がある。

証拠金を10万円用意した場合

では、今回はドル円の為替レートが1ドル100円で1ロット持つことを前提に1月どのくらいの下落まで耐えうるのか考えていく。

ここからは図を用いて説明していく。あくまで理論的な話なので、実際に追証が発生する金額や強制ロスカットされる金額は、以下のような証券会社のシミュレーションツールを使うといいだろう。

https://www.click-sec.com/corp/guide/fxneo/simulation/#

では、証拠金を10万円用意した場合を例にして、説明していく。

現在の為替レートが1ドル100円だとする。証拠金10万円の一部である5万円を拘束証拠金として差し入れて、ドル円を1ロット100万円分を買う。

そうすると、FX口座の状態は以下となる。

想定と違いドル円のレートが1ドル95円になった場合、5円×1万通貨の損失となるため5万円分の損失が発生する。

そうすると、FX口座の状態は以下となる。 証拠金維持率が100%以下になると追加証拠金を求められるため、証拠金が10万円の場合は、1ドル95円までが限度となる。

想定と違いドル円のレートが1ドル90円になった場合、10円×1万通貨の損失となるため10万円分の損失が発生する。

そうすると、FX口座の状態は以下となる。 証拠金維持率が50%以下になると、自動ロスカット(強制ロスカット)されてしまう。 このとき、証拠金10万円-損失10万円でロスカットされ口座残高がゼロになる。もし、ロスカットが為替レート下落の速度に間に合わなかった場合は、追加の入金を要求されることもあるので注意しよう。

このように証拠金が10万円でドル円の為替レートが100円から下落した場合、100円→95円の下落のみで追加の証拠金を差し入れる必要があるため、1月5円の下落しか許容されないこととなる。

証拠金を20万円用意した場合

では、次は証拠金を20万円用意した場合を例にして、説明していく。

現在の為替レートが1ドル100円だとする。証拠金20万円の一部である5万円を拘束証拠金として差し入れて、ドル円を1ロット100万円分を買う。

そうすると、FX口座の状態は以下となる。

想定と違いドル円のレートが1ドル95円になった場合、5円×1万通貨の損失となるため5万円分の損失が発生する。

そうすると、FX口座の状態は以下となる。

想定と違いドル円のレートが1ドル90円になった場合、10円×1万通貨の損失となるため10万円分の損失が発生する。

そうすると、FX口座の状態は以下となる。

想定と違いドル円のレートが1ドル85円になった場合、15円×1万通貨の損失となるため15万円分の損失が発生する。

そうすると、FX口座の状態は以下となる。 証拠金維持率が100%以下になると追加証拠金を求められるため、証拠金が20万円の場合は1ドル85円までが限度となる。

想定と違いドル円のレートが1ドル80円になった場合、20円×1万通貨の損失となるため20万円分の損失が発生する。

そうすると、FX口座の状態は以下となる。 証拠金維持率が50%以下になると、自動ロスカット(強制ロスカット)されてしまう。 このとき、証拠金20万円-損失20万円でロスカットされ口座残高がゼロになる。もし、ロスカットが為替レート下落の速度に間に合わなかった場合は、追加の入金を要求されることもあるので注意しよう。

ドル円の為替レートが15円下落に耐えきれるのは、レバレッジ5倍(証拠金維持率500%)まで

証拠金が10万円と20万円の例を交えて説明してきたが、10年に1回ぐらいの頻度ですくなくとも発生している、1月にドル円10円弱の下落に耐えきれるレバレッジは5倍までとなった。そのため、FX取引を長期投資として活用する場合は、レバレッジを25倍ぎりぎりまで使用した取引を行うのではなく、レバレッジ5倍(証拠金維持率500%)を一つの目安として建玉を持つようにするとよいだろう。これを目安として必要に応じて、リスクと取りたい方はレバレッジを上げ、リスクを取りたくない方は、レバレッジを下げるとよいだろう。筆者はこれを踏まえた上で少しリスク許容度を上げているため、レバレッジ10倍程度での取引を行っている。

以上、参考になれば幸いだ。

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